初めての海外一人旅

25歳の時、思い切ってイタリアへ一人旅に出た。英語もイタリア語も中途半端で、内心ビビっていた。ローマに着いた初日、空港から市内へのバスで財布を掏られ、クレジットカードと現金の一部を失った。パニックになりながらも、宿のスタッフに助けられ、なんとかカードを停止。財布を失ったショックで部屋で泣きそうになったが、「ここで諦めたら何も始まらない」と自分を奮い立たせた。

翌日から、ガイドブックを頼りにコロッセオやパンテオンを巡り、路地裏の小さなカフェでエスプレッソを飲んだ。言葉が通じなくても、笑顔とジェスチャーで現地の人と交流できた瞬間は宝物だ。特に、フィレンツェで出会った老夫婦が「若いんだから失敗しても大丈夫」と励ましてくれたのが心に残る。

10日間の旅で、トラブルも多かったが、自分の力で切り抜けた自信がついた。帰国後、財布を失ったことすら笑い話に変わっていた。一人旅は自分と向き合う時間であり、世界の広さを教えてくれた。

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